つらつらと好きなBLコミックについて語るブログです。
内容によってはネタバレを含みますのでご注意ください。

長らく待っておりました、川唯東子先生の新刊です。


「Marble」著者:川唯東子

この作家さんは、前作の「雫 花びら 林檎の香り」でどはまりし、次作をずーっと待ち望んでいたので、やっと新作を読めて嬉しい

今作の「Marble」も「雫~」も社会人同士の話で仕事に取り組む姿勢や背景、ふたりだけで話が進んでいくのではなく周りの人たちの関わりから少しずつ変わっていく関係性などがしっかりと描かれているので読み応えがあります。



「雫 花びら 林檎の香り」著者:川唯東子

絵柄もきれいで好きなのですが、あとがきで実は長らく絵が描けなくなっていたということを言われています。
物理的なことではなく、心理的なことでしょうか。
自分の絵がわからなくなって苦しくて・・・と、そのころの心境を綴っていました。

自分の好きな作家さんがずっと作品を出し続けてくれるのは、ほんとに有難いことだと改めて思いました。

で、この「Marble」ですが、とあるビストロのソムリエとシェフのお話です。

新店のオープニングスタッフとして入った時からずっと一緒に働いているソムリエでホール担当の梶さんと腕はいいけど愛想のない近森シェフですが、最初さらーっと読んだ時はこれってBLに発展するの?と思うくらい二人の間に何もなく、後半で一気にBLになったぞという感じでした。

でも2回目に改めてじっくり読んでいくと、ちょっとしたしぐさや表情でちゃんと最初から意識していることがわかります。
(これは多分に自分が最初に斜め読みしすぎたせいでもあるけれど)
この作家さんはあまりモノローグやセリフで補充しすぎないところで、何度もじっくり読みたくさせてくれるのかな。

梶は近森に一番近いポジションにいていつもフォローしたり世話を焼きつつも、それは店のためと尊敬するシェフである近森が腕を存分に振るえるようにするため。

一方の近森は梶に甘やかされつつも一定の距離を置いてそれ以上踏み込まないようにしていたのに、ある時その距離が微妙にずれて今までのように振る舞えなくなってしまう。

でも、これを乗り越えた先にお互いの新しい関係性と店の新たな発展があるんですよね。
タイトルの「Marble」の意味は最後にちゃんと出てきます。

そして仏頂面の近森の後半のテンパリ具合やとろけそうな表情がカワイイ。
☆が飛んだりハートが飛んだり前半とのギャップがたまりません。
そのギャップに一喜一憂している梶さんも。

若い二人が切り盛りするビストロもこんなお店がほんとにあったらいいのにーと思いますが、
10年20年後の円熟した二人がおもてなししてくれるお店もぜひ行きたい。

厨房の様子とか食材の話題とかもとてもリアルなので、そこも細かく読んでると面白かった。

願わくば、この作家さんがまた次作に取り組んでくれると嬉しいな。