6月の楽しみにしていた新刊のひとつです。

ほかの記事でも書いていますが、「俺の人魚姫」で攻めの悠馬の友人であり、受けの道雄を気に入りアプローチするものの振られてしまった柏原が主役のお話です。

と思っていたら、冒頭で「柏田さん」と呼ばれていたので、ずっと柏原が主役だと思っていたのに違った???と一瞬焦りましたが、「別れさせ屋」をやる時の偽名が「柏田」でした。

サラリーマンの傍ら裏稼業として別れさせ屋をしている柏原に簡単に稼げる仕事の依頼があり、そのターゲットとして出会った朽葉(くちば)との恋の物語です。




「俺の人魚姫」が童話の人魚姫のような想いを抱くものの、ストーリーは現代の、実際にあってもおかしくない現実的な話でした。

本作も脇役が主役になり、同じ世界での話なので、現実的な話だと思っていたら、ファンタジー要素が入っていて驚きました。

人魚姫は悲しい思いをするけど、道雄はとりあえず幸せになれました。

では、柏原と朽葉はどうなのでしょう。

タイトルの「こんな悲しい恋をするはずじゃなかった」とは、柏原の気持ちです。朽葉も悲しい思いをたくさんしています。

それは朽葉が何者なのか、ということに起因します。
そして、柏原がそれを受け止めることができるのかにかかってきます。

バッドエンドではありません。

でも、単純に全部解決してハッピーエンド!でもないです。

悲しい思いもするから強くもなれるし、恋をすることを素晴らしく感じるし、相手を深く愛することができる。

軽薄で遊び人を気取っていた柏原が見つけた本気の恋、本当の愛のかたちがどんな道をたどるのか、が読みどころではないでしょうか。